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最終更新日:2010年4月1日
渋川市赤城町深山のヤハズ山とモロコシ山の山頂付近に生息する県指定天然記念物の「ヒメギフチョウ」のことで、地元ではその美しい姿から”赤城姫”と呼ばれています。日本各地に生息地が確認されていますが関東ではこの地域のみという貴重な蝶なのです。
文化財保護課ではヒメギフチョウが羽化し飛び始める4月下旬から、乱獲の被害などからヒメギフチョウを守るために県文化課、「赤城姫を愛する集まり」のみなさん、地元の南雲小学校のみなさんと協力しパトロールを実施しています。
「赤城姫通信」ではパトロール中に出会ったヒメギフチョウの様子やエピソードなどをお知らせしていきます。
「赤城姫を愛する集まり」の会からお聞きしたところ、「昨年度のヒメギフチョウの産卵状況は例年に比べ各地点では増加しているが、卵から幼虫へ成長するに従ってやや少ない」との事でした。例年ですと5月の前半期は産卵のピークを迎えます。産卵のお作法は、ウスバサイシンの葉がまっすぐに伸び、しかも葉が開かない時に卵を産み付けます。この葉は、数日の内に広がり、ちょうどコウモリ傘をひろげるように卵を内に隠してしまいます。自然の営みをうまく利用した技で子孫を増やしてきたのです。6月頃には幼虫となりウスバサイシンを食べながら成長していきます。この時期から外敵も増え、蜘蛛やダニなどが卵や幼虫を食べてしまうので次第に減少するそうです。春先の気候不順に加え、ウスバサイシンの発芽、蝶の栄養源であるスミレ、カタクリの開花がずれていることも不安材料となっています。まずは毎回パトロールを継続して状況を観察したいと思っています。
パトロールは4月28日から6月15日までで、特に日曜日を主に行う予定です。南雲小学校の活動で昨年の秋に学校と保護者の皆さんで蝶が飛びやすいよう、下草刈りが毎年続けて行われ生息環境の整備とともに愛護活動を実践していただいております。
なお、文化財保護課では4月27日に登山道の枝払いを行い、多くの皆様に来ていただき、自然とヒメギフチョウに親しんでいただきたい思っております。
6月1日
市では県立ぐんま昆虫の森にヒメギフチョウの卵の飼育を依頼することになりました。これは、例年に比べ今年のヒメギフチョウの産卵数が極めて少なく自然の状態での生存率は約2%程度しかないため、生存率を高めることを目的に緊急にとられた措置です。
この日、約220個の卵が採取され県立ぐんま昆虫の森へ引越ししました。予定では卵が孵化(ふか)して幼虫になるのを待って、その後ふたたび元の山へ返される予定です。
6月17日
この日、県立ぐんま昆虫の森で卵から孵化(ふか)した216匹のヒメギフチョウの幼虫が“故郷”に帰ってきました。6月14日に第1回目の作業が行われ今日が最後の作業となります。
食草であるウスバサイシンに放たれた幼虫たちは、順調に行けば夏の終わり頃に蛹(さなぎ)になり冬を越して春に成虫(チョウ)になります。しかし、そこにいくまでにアリやクモなどの天敵に食べられてしまったり異常気象による病気などにより死んでしまうなど自然界の過酷な試練が待っているのです。なんとか順調に育ち、来年の春には1頭でも多くのヒメギフチョウに出会えることを祈るばかりです。
平成19年度