ホーム > 渋川の観光 日本のまんなか 水と緑といで湯の街 > 歴史・伝統 > 赤城姫通信 > 赤城姫通信バックナンバー(平成18年度)
ここから本文です。
最終更新日:2010年4月1日
赤城山の奥深くに、生息するヒメギフチョウは群馬県の天然記念物です。関東地方ではここだけしかいない、珍しいチョウです。その美しい姿から「赤城姫」の名で親しまれています。
ヒメギフチョウはカタクリの蜜を吸い、ウスバサイシン(植物)に卵を産みつけます。
文化財保護課では、4月21日から南雲小学校の生徒の皆さん、「赤城姫を愛する集まり」の皆さんのご協力をいただき、ヒメギフチョウを保護するためのパトロールを始めました。
ヒメギフチョウは5月初めの暖かい日に、赤城キャンプ場近くのモロコシ山やヤハズ山で、空を舞う可憐な姿が見られます。
4月25日に、登山道の下草刈りを行ったところ、カタクリが咲き、ウスバサイシンが芽を出しはじめたのを確認しました。ヒメギフチョウが舞い始めるのももうすぐでしょう。
保護パトロールでわかったヒメギフチョウのことをこれからも発信していきます。
また、パトロールにご協力いただける方は、文化財保護課までご連絡ください。
保護パトロールは5月3・5日、5月7日から6月11日までの日曜日に行います。
4月29日(土曜日)、「赤城姫を愛する集まり」の皆さんがヒメギフチョウが1頭舞っているのを確認しました。翌日の3月30日(日曜日)には勢多農林高等学校の生徒の皆さんが、植物やヒメギフチョウの観察とあわせて、下草刈りを実施していただきました。ありがとうございます。
ヒメギフチョウの好む食草植物の「ウスバサイシン」は落ち葉の中からようやく芽を出すところです。5月1日の気温のように、暖かさが続けばヒメギフチョウの頭数も増えてくるでしょう。なお、深山地区では梅や桜が満開でしたが、赤城キャンプ場にある桜は、まだつぼみの状態でした。
5月1日が夏を思わせる暖かさだったので、ヒメギフチョウが羽化し、連休期間中は盛んに空を舞うだろうと予測されます。
天気予報によると3日から5日は暖かい、おだやかな晴天です。ヒメギフチョウが舞うのに絶好のコンディションとなります。
文化財保護課では3・5・7日と保護パトロールを行います。
皆さんも一緒に参加し、おいしい空気を吸い、カタクリを見て、ヒメギフチョウを観察しませんか。(雨天は中止です。)
パトロールは以下の要領で行います。
注意
下山後、靴を自動車内に置くのに、汚れないよう新聞紙等をご用意ください。
※参加した人に限り、赤城山の隠れた名所を教えます。
5月9日(火曜日)午前9時から南雲小学校の自然観察会が行われます。
連休期間中、家族サービスやパトロールお疲れさまでした。
ヒメギフチョウは5日、モロコシ山の頂上付近で10頭近く飛び回るのが観察されました。また、ウスバサイシンに産みつけられた卵が確認されました。
山の花もカタクリやヒトリシズカ、ニオイタチスボスミレなど数多くの種類が咲きはじめ、チョウと花の絶好の撮影ポイントとなっています。ただし、追いかけても無駄で「石の上にも三年」と同じ気持ちで、待ち組でないと成功しません。
ビデオ撮影では、あまりにも早く飛ぶので追いつかず、再生して何を撮ったかわからない有様でした。デジカメも倍率の高いズームでないときれいには撮れません。ベテランパトロールの方や地元の方は、山菜取りと同じで、とっても良い場所は「ナイショ」で、歩き回って汗を流して見つけなさい、ということでしょうか。
なお、この通信の内容は、パトロールに参加した職員の情報を総合して掲載しています。
頂上は別世界、ヒメギフチョウの乱舞!
5月9日(火曜日)、南雲小の生徒の皆さんと父兄の方たちの自然観察会が行われました。
「赤城姫を愛する集まり」の皆さんが講師を務めました。
この日は、朝は雨、登る途中は霧が立ちこめ、天気は良くありませんでしたが、「ヒトリシズカ」が落ち葉のチャンチャンコを脱ぎ、スッと姿勢を正してそよ風に揺れていました。
雲を抜け、山頂に着く頃には晴れ間となり、数多くのヒメギフチョウの乱舞が見られました。
大切なヒメギフチョウに末永く生き続けてもらうには山の環境がとても大事です。
飛びやすくなるための下草刈り、木漏れ日がたくさん差し込む落葉樹、とってお
きのごちそう「ウスバサイシン」が無くてはなりません。
こうした環境作りが大切であることを学びました。地元の父兄の皆さんや小学校の先輩たちが毎年行ってくれた下草刈り、カタクリやウスバサイシンの繁殖、旧赤城村役場(現赤城総合支所)の応援があって、目の前を華麗に舞うヒメギフチョウの姿が見られた、今日一日でした。
「モロコシ山の山頂までチョウの道がつながった」
渋川市立南雲小学校児童の「ヒメギフチョウ自然観察会」の写真を展示しています。
また、同校児童が描いた保護活動の絵も展示しています。
場所渋川市役所第二庁舎内(旧ジャスコ)
教育委員会フロア東側通路壁面(入口から入り、少し奥へ進みます)
期間5月10日~6月30日まで
南雲小の保護活動が「善行会」表彰を受賞します。
この記事が5月11日付け上毛新聞に掲載されました。
南雲小のヒメギフチョウの長年の保護活動が評価され、日本善行会の春季表彰を受賞することがきまりました。表彰式は20日に都内で行われます。
日本善行会は長年にわたり地域貢献活動をしている個人、団体を毎年春と秋に表彰します。今回は全国で180人、129団体が受賞します。
詳しい内容は上毛新聞をご覧ください。
ぜーぜー、ハー。手にカメラとビデオ、やっぱし平日のパトロールはくるんじゃなかった。後悔しきり。大汗かいて頂上にたどり着き、待てども「ヒメギフチョウ」には会えずじまい。登山者もなく「ヒトリシズカ」を実感しました。
隣のヤハズ山に移動してみましたが同じでした。
昼食後、しばし、昼寝。あきらめて下山の時、幸運が舞い降りてきました。「ヒメギフチョウ」が卵を産み付ける瞬間に出会いました。
「ウスバサイシン」に留まり、プルプルと何回か体を揺らし、8個の卵を産み付けました。0.5ミリにも満たない小さなもので金色の真珠に見えます。しっかり写真やビデオに記録しました。
キャンプ場近くではご年配の女性たちがおにぎりをほおばって、楽しそうな会話に熱中していました。
ちょうど鈴ヶ池近くです。池の主のウシガエルもおなかが減ったらしく、お裾分けを預かろうとぺたっぺたっと近づき大騒ぎとなりました。
5月12日にパトロールを行った職員の記録です。
18日(木曜日)、天気は曇り。9時過ぎ、出発点の赤城キャンプ場はガスがかかり静寂そのものでした。時折、ウグイスの鳴き声が冴え渡るだけの静けさです。唐松の葉も透明感のある若草色から鮮やかな濃い緑色(コマーシャルで、んー不味いというジュースの色です)に変化していました。さあ出発、落ち葉を踏みながら・・・。バンガローの屋根にゴトッ!、コトッ、コトコトと動物の足音が聞こえました。立ち止まり、何かなと覗いてみればまだ若い「ホンドリス」(ニホンリスともいいます)でした。ふさふさの尻尾をなびかせながら目の前を足早に横切っていきました。まだ冬毛でグレーがかっった黄褐色、お腹は白の出で立ちでした。日本のリスの仲間で最も行儀のよい食事ポーズがこのホンドリスになります。尻尾を背に背負いながら食べ物を両手で回しながら食べるポーズです。「シマリス」は人になついてとてもかわいいのですが尻尾はだらりと下がったままです。ちなみに伊豆大島の椿の実を食べているのは移入された「タイワンリス」です。
頂上では愛する会の人がヒメギフチョウの卵の確認調査を行っておりました。14~15日の土日からたくさん生み付けられたようです。今週は雨の日が多かったせいか、まだランデブーが続くとのことでした。なお、登山道沿いには「山シャクヤク」のつぼみも2センチほどにふくらんでいます。
5月21日(日曜日)、天気は晴れ。暑くなりそうな朝でしたがモロコシ山へ登ってみればひんやり冷たい風が吹いています。連休以後天候不順がつづき気温が上がらないせいか、今年は産卵数があまり多くなく時期的にも7~10日遅れているとのこと。「赤城姫を愛する集まり」の皆さんの話によれば、産卵の時期とウスバサイシンの時期がずれると産卵数が減ってしまうそうで、成虫が多く見られるだけでは安心できないようです。
今日は出会いは難しいかと思いながらモロコシ山頂を目指して登っていくと、ひらひらと舞う「姫」を発見!私がパトロール初参加であることを知って「愛する集まり」の会長さんがすかさずひとこと、「歓迎してくれてるんですよ」上手いですね。もしかして仕組みました?
パトロールを先導してくれた「愛する集まり」の事務局長さんは山そのものにえらく詳しく、道々「これはルイヨウボタン」「これはシロバナエンレイソウ」等々、数も多いし名前も長いしとっても憶えられません。おまけに食べられるだの毒だの情報が多すぎて初心者にはムリ、途中から「はあ」「へえ」「ふーん」生返事です。
などと言いつつヤハズ山頂では3人の「姫」と出会えたうえに、新しく産みつけられた黄緑色の小さな真珠(キレイです。ホントに)をあちこちに見つけるなど、パトロールの域をこえて楽しいひとときでありました。ヤマツツジも咲き始めましたよ。
長さ5mmほどの黒い木綿糸が並んでいる、初対面の印象は、そんな感じ。身じろぎもせず、みんなで肩(?)を寄せ合いつつ、うつむき加減にこんにちは。言葉もなく見つめ合う(?)1人と8匹、少し照れてしまいました。6月4日(日曜日)、濃霧注意報が出ていた日の朝のことでした。
産卵が確認された場所を1つずつチェック。でも、背の低いウスバサイシンのどの葉に産み付けられているかまでは、一目瞭然とはいきません。自分でその葉を踏んでしまったら、姫たちの天敵になってしまう。そうならないよう、細心の注意を払いつつ歩いていきます、のっしのっしと。邪魔なお腹を押さえつつ、かがんで、1枚1枚裏返していくと、あったあった、卵が‥‥と思ったら、幼虫でした。そして冒頭の情景へ。体は飴色から黒色になったけど、かえってからまだ間もなく、一齢と言うのだそうな。全体の半数以上が幼虫になっていて、グルメな餌となった葉はだんだんと形を変えてきています。
でも数ヶ所、5月末には10数個の卵があったと記録されているのに、卵も幼虫も見あたらず。そこには幼虫が葉を食べた跡もなく、卵が付いていた痕跡だけがありました。ダニやクモなど、卵を食べてしまう天敵たちがいるそうです。今年は産卵数があまり多くないのに、これでは‥‥自然の摂理とはいえ、姫たちも少子化問題に悩んでいそうです。
ともあれ、もう飛んでいる成虫の姿はなく、次の世代へと着実に生命が受け継がれています。